スノボウェアの裏側がベタベタして着られない(経年劣化) | 損傷 | 東京都クリーニング生活衛生同業組合

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スノボウェアの裏側がベタベタして着られない(経年劣化)

久しぶりに着用しようと思ったスキー・スノボウェアの裏側がベタベタになり着用できなかったという経験はありませんか? 今回は裏面コーティングがベタベタする原因や防ぐ方法などを紹介します。

博士~!
一昨年着ていたスノボウェアを今年も着ようと思って見てみたら、裏側がベタベタして着られないんだけど......
betatuki_1.JPG

どれどれ。 見せてごらん。
ベタベタしておるのう。これは、ポリウレタン樹脂が裏面にコーティングされていたのじゃ。
ポリウレタン樹脂?
そうじゃ。
ポリウレタン樹脂というのは、主に生地をコーティングしたり、合成皮革などに用いられているのじゃ。 生地にコーティング加工をすると、防風性に優れ、体温も逃がさなくなるメリットがあるため、スノボウェアに使われることがあるんじゃよ。 最近では、シームレスダウンの接着部分に使われたりしておるぞ。 しかし、デメリットもあるのじゃ。
デメリット?
そうなのじゃ。 デメリットは、空気中の水分、汗、その他の汚れの付着、紫外線、着用摩擦などが原因で劣化しベタベタになるのじゃ。それを経年劣化というのじゃよ。これはポリウレタン樹脂の特徴だから避けられないのじゃ。
へぇ~知らなかった~! ベタベタになったのは、元に戻せないの?
そうじゃのう。
今年も着たい気持ちもわかるのじゃが、元には戻せないのじゃ。 ウェアがベタベタになっていてショックだと思うのじゃが、 少しでも長持ちさせるためのポイントが3つあるのじゃ。参考にしてみるとよいぞ。
1つめは、温度と湿度が低いところに保管すること。
高温多湿のところに保管すると、空気中の水分が原因で劣化が起こりやすくなり、そのスピードも速くなる可能性があるのじゃ。 さらに、今回のように着用する頻度が低い衣類も長年クローゼットやタンスにしまっていると劣化してベタベタになる可能性があるぞ。
2つめは、クリーニングしてからしまうこと。
スノボやスキーは寒いところで行うが、思っている以上に汗をかいているものなのじゃ。汗などの汚れが付いていると、劣化するスピードが早くなるのじゃ。長持ちさせるためには、クリーニングで汚れを落としてからしまうのが大切なのじゃよ。
3つめは、素材の劣化を理解したうえで購入すること。
衣類には消費期限があり、寿命があるぞ。 ちなみに、このポリウレタン樹脂で加工された衣類は約3年じゃ。 購入時からの年数ではなく、製造からの年数だから、アウトレットやセール品などで製造時から年数が経っているものは劣化しやすくなるため、購入時に確認するのが大事なのじゃよ。
なるほど~。衣類に寿命がある事なんて知らなかったよ。 今までは、手入れのことなんて何も考えていなかったから、これからは長持ちするように心がけるよ。博士、ありがとう~

ポリウレタン樹脂を用いたコーティング加工

ポリウレタン樹脂を用いたコーティング加工製品は月日の過程で徐々に劣化が進み、樹脂面の剥がれやベタツキが発生します。寿命は3年前後で、湿った場所に保管すると更に短くなります。

コーティングは表面でも裏面でも樹脂が劣化します

スキーやスノボウェアなどでは生地の裏面に樹脂をコーティングした製品が多数あります。年数が経過するとコーティング樹脂が劣化してベタベタになったり、剥れてきたりします。

もっと詳しく知りたい方は

「ポリウレタン素材の弱点を知る」

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