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「芯地」について

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衣類の多くには、衣類の骨組みを支える大切な役割として「芯地(しんじ)」と言われる素材が使用されています。芯地という言葉にあまり馴染みがない人も多いと思いますが、それもそのはず、外部から見えない部分に使用されています。
しかし、衣類のシルエットや表情を生き生きとさせるか、着易いものになるかを左右するのは「芯地」の良し悪しと言われるほど重要な役割を持っています。また、芯地とクリーニングの関係も見逃せないポイントです。
ここでは、衣類の骨を支える「芯地」について紹介します。

芯地の役割って?

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”芯”とは「物の真ん中にある物」という意味を持ち、また人間を対象に「精神・こころ」という意味も持つことから、『芯地』も性質上重要であるニュアンスは汲み取れるかと思われます。

『芯地』は衣服に用いられていますが、衣服の購入時などに消費者が確認することが出来ません。
どんな仕組みで用いられるかと言うと、生地と生地のあいだに芯となる特殊な生地が挟まれているイメージです。衣服の中に存在する目に見えない生地のようなものです。

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このように見て確認することは出来ませんが、衣服を作るうえで無くてはならない存在であることから『服の裏方さん』と例えられています。

さて、そんな『服の裏方さん』である『芯地』は、そもそもなぜ必要なのでしょうか?
それは主に次の5つの役割を担っているからです。

  1. 着用による型崩れを防ぐための寸法や形態を安定するため
  2. 衣服のシルエットを形成するため
  3. 表地の必要な部分にハリやコシをもたせるため
  4. 部分的に厚さや硬さを与えて衣服に重厚感をもたせるため
  5. 縫製時に歪みを防ぐため

芯地の使われ方

役割は分かっても、実際にどういう部分で、どういう使われ方をしているかはイメージし難い人も多いと思います。例えば、スーツやジャケットなどにある肩パットも芯地の役割と似ています。肩パットは、肩部分が着崩れせずに綺麗なシルエットを維持出来るように使われます。
つまり、芯地は肩パットをより薄くしてシート状やテープ状にしたものというイメージです。
そこで、芯地の使われ方として主な例を挙げると以下のような場所に使用されています。
意外にも非常に馴染みのある箇所に使用されていることが分かるかと思います。

イラストのオレンジ部分が芯地の利用されている箇所の一例です。

Yシャツ等

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襟(えり)、袖口、前立てに使用されていることが多いです。
特に襟(えり)部分は厚く施され、着用時の美しさを保つ意味においても大きな役割を果たしています。


紳士ジャケット

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前身頃、後身頃、ラペル(返り襟)、袖(そで)、ポケットなど、非常に多くのパーツに使用されています。
紳士ジャケットという種類から、シルエットの美しさや品の高さを要求される為、形態の維持を持続するように芯地が活躍します。

ズボン

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ウエスト、ファスナー部に使用されています。
ウエストは、着用時は常に摩擦を受けることから生地としての強さを要求されます。そこで「ベルト芯」と言われる、補強の為の芯地が利用されています。

スカート

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ウエストや、一部商品では裾(すそ)にも使用されています。
ウエストはズボンと同様の理由によるものですが、裾(すそ)は品物によって折り返し部分に芯地が入っていることがあります。

<<ポイント>>
このように、芯地の使われる箇所は主に生地に「はり・こし」を持たせる必要があり、身体の動きなどによる負荷がかかっても抵抗するなどの”形態安定性”が求められていることが分かるかと思います。


接着している芯地と、接着していない芯地について

衣服に使われる芯地は表地に接着剤を使って接着してあるものが多く、一般的に「接着芯地」と言われ、機械化による合理化が進むアパレルの生産現場では広く普及しています。また、「接着芯地」は、完全に接着される芯地(完全接着芯地)と、あくまで縫製作業を簡単にする仮止めを目的として、洗濯やクリーニングで剥がれるようなタイプである「仮接着芯地」とに分かれます。
ところが、はじめから接着剤を使わず、縫製のみでつける芯地もあり、これを「フラシ芯」と言いますが、高度な技術が要求されることから価格の高い高級ワイシャツなどに使用されるケースが多いです。

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接着芯地が原因で起きる変化やトラブル

接着芯地は、衣服のデザインや形状を維持するうえで非常に重要な役割を持っていますが、消費者が購入する時点では、製造上適切な芯地として問題ないかどうかを判断することは困難です。これは、クリーニング業者も同様で、事故が起きた時に問題が発覚するというケースがほとんどです。

しかし芯地が原因による変化やトラブルは、事故が起きてしまった場合、そのパターンはある程度決まっており、理由もある程度分かることが多いです。

                                               
事故名事故の状態事故の原因
剥離接着強度が弱い場合は、消費過程で表地から剥がれやすい。
  • 接着不良
  • 接着樹脂に対する温度・圧力・時間の要素が十分加わっていない。
  • 樹脂の形状と量が、表生地の性質に合わない
ぶくつき接着後、表生地側または芯地側に部分的な浮き上がり現象が発生
  • 芯地の接着樹脂の付着にむらがある場合
  • 表生地と伸縮差が大きい場合
  • 接着プレス機の整備不良
しみ出し表地側への接着剤のしみ出し
  • 接着剤の粒度と形状の選定誤り
  • 接着仕上げ条件の誤設定(薄手素材に発生しやすい)

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