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2012年レディス秋冬トレンドでは、メンズウェアのエッセンスを取り入れた「マスキュリン」スタイルが注目されているようです。例えば、テーラードジャケットや、スラックス、コート、またつま先にメダリオン(飾り)の入った革靴(オジ靴)といった、メンズアイテムからの影響を受けたファッションがトレンドの一つにあるようです。
そこで、今回はテーラードジャケットに絞り、日々のケアの仕方やクリーニングに出す場合の注意点などを解説します。

テーラードジャケットとカジュアルジャケットの違い

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そもそもテーラードジャケットとは、背広のようなしっかりと仕立てられたジャケットを呼びます。また、カジュアル品との仕様の違いとしては、立体感が異なります。テーラードジャケットは、ソフトで立体的なのに対し、カジュアル品はボリューム感がなく平面的な服になっています。

立体化の技法

テーラードジャケットは、製品時には立体的ですが、もちろん平面状の生地を材料に作られています。
つまり、製造工程で、立体形状の人体に沿わせて造形的なシルエットを作るために、生地には「いせ込み」などの”くせ取り”という仕上げ技術が用いられています。

「いせ込み」とは?

袖山や後肩などで布地を立体的にするため、異なった長さの布地の長い方をシワにならないように押し込みつつ同一寸法に縫い合わせ、シワが生じないようにスチームアイロンなどでセットして自然な丸みを出す。

「くせ取り」とは?

平面の布地を立体的にする手法の一つ。布を立体化するために、「いせ込み」などによって布を変形させる操作。


毛芯と接着芯の違い

本来、厳密にしっかり仕立てるという意味においては、テーラードジャケットは高級品と言えますが、高級なジャケットとお手頃なジャケットを分ける違いは一体何でしょうか?服地や仕上げ技術はもちろんですが、もう一つの要素が芯地です。

量販店などで販売されている多くのジャケットでは、「接着芯」が使われ、材料費も安く取り付けも簡単です。その分、価格が抑えられることになります。
一方高級なジャケットでは「毛芯」といい、馬などの尻尾の毛を素材にした芯地が用いられています。また、その芯地を取り付ける方法も高度な職人技術により縫い付けられるなど、手間と時間が掛る為、高価格商品になります。

しかしこの芯地の種類によって、立体感と持ちの良さの面で違いが生まれてきます。
ただ現在、「毛芯」と「接着芯」を併用する商品も中には増えてきているそうです。

参考:芯地について

日々のケアについて

テーラードジャケットは、ある程度着用し続けるとシワが出来たり、毛玉が出来たり、ほつれや着崩れなども起きる場合があります。そして何より、汚れが蓄積してきます。だからと言って、毎回クリーニングに出すというのもなかなか大変です。
そこで、日々のお手入れと、適度なクリーニングにより長持ちさせることが可能です。

正しいタタミ方~裏側に畳む~

まず、ジャケットはシーンによっては、一時的に脱いで持ち歩いたり、畳んで置いておいたりなどする場合があるかと思います。しかし、一時的でも畳み方を間違えると、シワになったり型崩れの原因にもなりますので、正しい畳み方を知っておく必要があります。
ところが、ジャケットを脱いで持って歩いている人や、畳んで置いているシーンでは、意外に間違った畳み方をしている人が多いようです。例えば、ジャケットを表面にしたまま掴んで持ち歩いたり畳んだりするのは誤りです。

つまりポイントは、裏側にして畳むことです。
理由は、表生地が傷まないようにする為と芯地に変なクセがつき型崩れしないようにする為です。以下のような方法で畳むように心がけましょう。


1:形を整える。

2:肩と肩を合わせるように、背中を中心に裏側になるように折り返す。

3:肩や袖が崩れないように注意しながら、上下に折り返す。

<参考~簡単な畳み方~>

動画元:Lifehacker(日本版)

外から帰ったらやること

外には、目に見えないチリやゴミが舞っています。それら汚れのもととなるチリやゴミは、表地の繊維内部に潜り込んでいる場合があります。そのままにしておくと、汚れが蓄積していき、落ち難い汚れに変化したりニオイのもとになってしまうこともある為、必ず外出先から戻ったら、ブラッシングしてチリやゴミを取り除いてから収納しましょう。

ブラッシングはテカリやアタリ対策にも効果的!

テカリやアタリの発生は、主に着用摩擦などの外力によるものであり、衣服を着用する以上避けられません。しかし、テカリやアタリの発生しやすい部分を、こまめにブラッシングし、生地表面に存在する毛羽を起こすようにするなどでテカリの発生を遅らせることが可能。
ただし、強くこすり過ぎると毛羽立ったり毛が抜けたりするので、手加減しながら様子をみて行うようにしてください。

参考:テカリ・アタリについて
保管方法

型崩れしないように、肩幅の合ったハンガーに吊るしておきましょう。そして、仕舞う場合は、詰め込み過ぎず、八分目を目安に収納するようにしましょう。詰め込み過ぎるとシワが寄ったり型崩れの原因にもなってしまいます。
また、マンションなどでのクローゼットでは密閉性が高いので、たまに開放してあげ、外の空気や風を通してあげましょう。


クリーニング店への出し方

クリーニング店はお店によって得意分野が異なる為、出来るだけテーラードジャケットをしっかりと洗い上げ、また仕上げることが出来るお店を選びましょう。
その為には、他の品物同様どのような洗い方や仕上げ方を行うのかを、店員に聞いて判断するのが良いと思います。
また、クリーニング店へ出す周期については、汚れの付き方や型崩れの仕方など個人差がある為、一概には言えませんが、シーズン中に最低でも1回そしてシーズン終了後衣替え時にもう1回とクリーニングにお願いすることをお薦めします。

参考:中間洗いのススメ


洗浄技術

テーラードジャケットやスーツ、その他ウールのニット製品など、水によって型崩れしやすい品物は一般的にドライクリーニングが行われるのが主流です。しかし、水溶性汚れをしっかり落とし、さっぱりした着心地を最大限取り戻すには、水洗いも行うことが理想的です。
そこで、近年「ウエットクリーニング」「Wクリーニング」「汗抜きクリーニング」など、ドライクリーニング品を水洗いする技術を持つお店が増えてきています。しかし、この技術にも差があることから、実績なども聞きながらお店を選ぶのが良いと思われます。

色が落ち易い製品について

また、海外製品などでは特に染色状態によっては色が抜けたりする場合もあり、技術がどんなに高くても水洗いのリスクを抑えることが出来ない品物もある為、多少の色落ちを覚悟しても汚れ落ちを優先するか?それとも色落ちを押さえてドライクリーニングだけにするか?を店員とお客様で相談しながら決めるようにしましょう。


仕上げの技術

ジャケットやスーツなどの製品は、クリーニング処理により製品が作られた時に行われていた”いせ込み”など、立体的に処理されていた箇所が崩れてしまいます。
そこで、ただのシワ取りという感覚ではなく、元の形状に復元出来るアパレル仕上げ技術や意識を持つお店を利用することをお薦めします。

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シワ , ジャケット , 芯地