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革ジャンを知ろう
「革ジャン」などのレザーアイテムが人気です。
また、レザーを日本語訳すると「革」ですが、アパレルショップに並ぶレザーアイテムは、見た目は同じように見えながらも、本革と革ではない別の素材とに分けられます。市場では「レザー」という言い方を同じにしてはいますが、素材が全く別である為取扱方法や注意すべきポイントを理解しなければ、後々悲しい思いをするケースがあります。
このページでは、レザーアイテムを購入するにあたって、必ず注意して頂きたいポイントを紹介します。
革ジャンなどレザー・ジャケットは2種類あります
着る人にロックテイストな雰囲気を醸し出すなど、人気のあるレザージャケットは「レザー」という言い方は同じであっても、素材の観点から以下のように大きく分けて2種類のレザーがあります。
・本革を使用したレザージャケット。→本当の革を使用してる商品
・合成皮革を使用したレザージャケット。→本革ではないもの(ニセモノの革)を使用している商品
両方とも、見た目は同じように見えますが、使用しているうちにそれぞれの特徴の違いがハッキリしてくるのも、レザージャケットの特徴でもあります。
それぞれの違いという意味を、便宜上下記のように分けることが出来ます。

つまり、「レザー」と言われる商品であっても、購入した人が将来においてイメージする「レザー」の持ち味を発揮するものと、しないものがあることを、理解しておく必要があります。
ポイントは、合成皮革のレザージャケットは、革製品の持ち味を発揮することなく長年の使用には不向きなうえ、「味」ではなく「劣化」をもたらす商品と言えます。
また、ここでは「レザー・ジャケット」に絞っていますが、もちろん「ジャケット」以外のパンツやコートなどにも同様なことが言えます。
人気のある合成皮革仕様のレザージャケット
これまで解説したように、レザージャケットには、本革を使用したものと合成皮革を使用したものとに分けられますが、そもそも何故分けられる必要があったのでしょうか。背景には様々な理由があると考えられますが、ここでは2つのポイントを挙げることにします。
低価格化を実現できる
ひとつには、我々消費者が常日頃、商品やサービスに対して考える「安くて良いものを!」という欲求にあると考えられます。そして、そうしたニーズにこたえる為に利用されるのが、本革ではなく合成皮革と仮定されます。
合成皮革は製造する際、主に原料としてポリウレタンを使用します。ポリウレタンは比較的安く手に入るうえ、様々な加工をしやすく、革製品にある独得なシワなどの質感を再現できることから生産者側にとって大きなメリットである為と考えられます。
要するに、製造における低コストを実現出来る故に、消費者に低価格のレザージャケットを提供出来ることになり、今現在、合成皮革を使用したレザージャケットが非常に多く流通しているのです。
お手入れのし易さ
もうひとつの理由としては、本革製品は家庭での水洗いが困難であったり、クリーニングにおいても高度な洗浄技術を要する為、特殊品扱いになるケースが多いです。更に、日頃の保管方法においても、本革は湿気に弱く、カビが生えやすいなどのデメリットがあります。
ところが、合成皮革の場合では、手洗いやドライクリーニングができる場合が多いうえ、本革と比較しても取扱いが簡単と言われています。
よって、低価格で着やすく、お手入れも簡単とされる合成皮革のレザー・ジャケットを購入してしまうのも無理はないでしょう。つまり、ここに需要と供給の一致を見る訳ですが、先ほど解説したように、合成皮革は、長期利用には不向きで、革本来の持ち味は再現出来ないばかりか「べたつき」などの劣化を引き起こします。収納方法を誤れば他の衣服にも被害を与えかねない、購入者が知るべきデメリットがあることを忘れてはいけません。
被害に遭って分かる!?合成皮革の問題点
合成皮革がもたらす問題とは、つまり主な原料であるポリウレタンがポイントになります。
ポリウレタンには、経時劣化という大きな弱点を持ちます。【こちらのページを参照】
ところが現状、多くの消費者はこの弱点を認識せずに購入に至り、愛着を持って長年着ていた結果「なんでこんなことになってしまったんだ?」と後々トラブルになるケースが後を絶ちません。
メーカーやショップによっては、ポリウレタンの弱点を伝える手段として、縫い付けタグや下げ札を用いる場合が多いようですが、メーカーによってはデメリット表示に消極的で、全く注意表示をしないケースもあります。そもそも、ポリウレタンに関する問題を本質的に考えれば、販売員がしっかりと合成皮革、つまりポリウレタンの特徴をしっかりと口頭でもって伝えるべきだと考えられますが、そのことに関しても「縫い付けタグ」「下げ札」で代用しているようです。
更に、最近はネットショップやオークションなど、販売側からの情報提供不足が思わぬトラブルを引き起こすことが考えられる為、購入ルートによってはより一層の注意が必要なのです。
広告やネーミングなど「伝え方」に惑わされないこと
レザーのみならず、ことさらファッションにおける広告やネーミングは刺激的であり、消費者の関心を引きます。一方考え方を変えれば、情報が溢れ、消費者自らも細かく情報を仕入れることが出来るインフラが整っている現代社会において、関心を引き付けることは益々難しくなっているのではないでしょうか。
そうした環境の中で、消費者からの関心を煽るには「伝え方」の工夫が重要性を増し、各社緻密かつ繊細な広告プロモーションが行われています。
つまり、既にこれまであった商品やサービス、技術などに関して、「言い方」や「伝え方」を変えることで全く新しい何かを想起させるテクニックが用いられていることも考えられるのです。本質を見誤らない為にも、消費者としての注意深い目は、益々重要度を増してきそうです。
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