クリーニングから戻ってきたウール素材のジャケットが着づらくなった | 外観・形態変化 | 東京都クリーニング生活衛生同業組合

外観・形態変化

クリーニングから戻ってきたウール素材のジャケットが着づらくなった

夏の間、クリーニングに預けていたウール素材のジャケットを久しぶりに着てみたら着づらくなったなんてことはありませんか?
このページではクリーニング後のウール素材のジャケットの変化について解説します。

博士~!
クリーニングに出して戻ってきた冬用スーツのウール素材のジャケットを着てみたら少し着づらくなった気がするんだけど、コレってクリーニングに原因があるの?
うーん、なかなか判断が難しい問題なんじゃ。

というのも、ジャケットの素材や縫製、シルエット、クリーニング方法や着用者の体形など、様々な原因が考えられるので一筋縄ではいかないんじゃ。。
ただ、おおまかな原因は3パターン考えられるんじゃ。
3パターン?
想定される原因の一つ目は、アイロンなどでの仕上げによる型崩れのケース。二つ目は水分の影響による収縮のケース。三つ目は勘違いのケースが挙げられるんじゃ。
なるほど。一つ目の型崩れって?
スーツは立体的に作られているんじゃが、本来洗浄後に復元成形するには「いせこみ」や「くせとり」など特殊なアイロン仕上げを施して立体感を復元させるように仕上げるんじゃが、立体感を意識しないプレスで型崩れを引き起こしてしまってるケースじゃ。
二つ目の水分による収縮って?
一般的にスーツは水の影響を受け難いドライクリーニングを行うのじゃが、ウールに含まれる湿気などが影響し、稀にその水分と機械力でフェルト収縮を起こしてしまうことがあるんじゃ。

あとは汗汚れが酷い場合など、本来ドライクリーニングするものをあえて水洗いするお店もあるんじゃがその処理方法でもみ作用が加わって収縮が起きることも。その他に考えられるのは、アイロンのスチームをあてすぎたりすると部分的に収縮を引き起こすことも稀にあるんじゃ。
三つ目の勘違いって?
ズバリ衣服に著しい変化は起きておらず、着用しない間にお客様の体格が変わってしまったというケースもあるんじゃ。
あとは例えば「キツくなった」などの縮みが疑われる場合、生地試験機関による品質基準では寸法変化率が元の状態からクリーニング処理後プラスまたはマイナス2%以内で合否を判定していることから、多少の収縮は許容範囲とするメーカーも多いんじゃ。

あと、多少の収縮部分ををいかにアイロン仕上げや特殊なプレス機で復元させるのかが、そのお店のスーツの仕上げ品質の違いでもあるんじゃ。
なるほど。。。正直この夏の間で少し太っちゃったから、そのせいでキツく感じたのかも。。。

ただ、クリーニング店によって仕上がり品質の違いは、見極めないとだね。。