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衣服と気候の深い関係

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衣服は気候からの影響を受けやすく、特に日本の気候とヨーロッパの気候の特徴を理解しておくことで、衣服をより楽しむことが出来、長持ちさせることやトラブルから身を守ることに繋がります。
このページでは、衣服と気候の関係について紹介します。

衣服と気候環境の違いを知ろう

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出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

着物文化のあった日本では、夏季は高温多湿で冬季は気温が低く乾燥しやすい特徴をもつ「温暖湿潤気候」といわれています。
一方、元々洋服文化があるヨーロッパの多くは、夏は涼しく、冬も暖流や偏西風の影響で比較的寒くない特徴をもつ「西岸海洋性気候」にあたります。

衣服というのはその起源を辿ると、住む土地の気候による影響が大きいことが想像できます。
例えば、日中気温の高いインドやエジプトなどの国では、民族衣装を見るとサリーなど身体を締め付けず、ゆったりとした衣服です。その特徴は、身体と衣服の隙間が大きく確保されており、暑い中でも風通しを保たせる機能から生まれた衣装だと考えられます。

すると日本と気候が異なるヨーロッパ文化の中で誕生した「洋服」は、広い意味で日本のような気候をもつ環境での着用は想定されていないはずなのです。

スーツの例を見る

例えば、紳士服(スーツ)などは西洋の文化の中で生まれ、その起源が夏は涼しく冬も比較的寒くない気候での着用が想定されている為、日本の夏のような蒸し暑い時などは、着心地が悪い衣服と言えます。
しかも、日本の夏などではスーツが汗を大量に吸い取っているにもかかわらず、素材が絹などデリケートな繊維で出来ている為、表示ラベルを見ても水を用いた家庭洗濯は適用しておらずドライクリーニングが標準です。

海外ブランドは日本の常識が通用しない!?

つまり、日本ほど汗をかかないヨーロッパ文化の中で育った洋服の生産者(デザイナー)は、「衣服に含まれる汗や汚れを洗濯で落とす」ということへの配慮や意識が日本の生産者より低い可能性があると考えられます。

しかしこうした背景があるにもかかわらず、日本で販売される海外ブランド商品に対し「当然問題無く洗濯出来る」と考える消費者が多く、クリーニングや洗濯で「こんなはずでは…」という結果になる事例が後を絶ちません。

よって、気候の違いが、衣服に対する文化や価値観の違いを生み、結果的に想像していなかった洗濯やクリーニングによる失敗を引き起こす要因のひとつと考えられています。

海外ブランドを扱うアパレルメーカーも抱えるジレンマ

東京組合が定期的に行うアパレル業界との情報交流研究会では、海外ブランドを販売する許可(ライセンス)を持つ、日本企業の抱えるジレンマを聞く機会がありました。
ある海外ブランドから降りてくる商品の中には、検品を通過しても洗濯にリスクのある商品があり、日本側としては本当は販売を避けたいと考える商品があるそうです。
にもかかわらず、販売せざるをえないのは、海外ブランド側からの「グローバル戦略上のイメージ優先」であることと、「販売許可(ライセンス)を失ってしまうリスク」からとのこと。ちなみに、この企業は本国の海外ブランドに対し「クリーニングや洗濯でのリスク」を訴え続けたいと考えているそうです。


文化の違いを受け入れる

ヨーロッパなどの海外製品の多くは、基本的に高温多湿の環境下での着用に配慮した製品作りが、極めて少ない場合が多いと考えられます。
また、鮮やかな色が染色された衣類も、普段の着用やクリーニングによって「色が褪(あ)せても当然」という考え方で作られた商品も多いのが特徴です。というより、汗を日本ほどかかない為に、洗濯回数が少なかったり、洗濯が出来ず「お手入れのみ」の衣服が社会的に容認されやすい文化が根付いているとも考えられます。
特にプレタポルテと呼ばれる海外有名ブランド品などでは、製品作りに対しアート(芸術)的見方が強く、「洗濯やお手入れを通して長く着る」というスタンスより「個性」や「ステータスシンボル」としての役割を重視するあまり、機能とデザインの両立が図られていない場合があります。

「高価な物は長持ちする」という固定観念を疑いましょう

日本人は世界の中で一番清潔好きであると云われ、また、ファッション感度も高くブランド志向が強いといった特徴があります。そして更に、商品やサービスに対する目が世界一厳しい国と云われ、日本の高品質なモノづくり文化を支える背景とも云われています。
その結果、世界でも比類なき日本人の持つ独特な文化や価値基準が、海外ブランド品に対して誤った見方をしてしまうと考えられます。

つまり、高価格の海外ブランド品に対して、「高価格=高品質=長持ちする」という概念を見出してしまいがちなのではないでしょうか。また「値段の高い服だったので、長く着たい!」と思うものではないでしょうか。

しかし、考えてみてください。生産者(デザイナー)側に「洗濯やクリーニングを通じて長く着てもらう」という狙いやモノづくりがされておらず、デザイン至上主義なのであれば「洗濯やクリーニングを通して長く着る」という消費者の期待に、完全には応えられないはずです。


もちろん、しっかりと高品質な素材と作りにこだわり、正しいメンテナンスを通じて長期使用に耐えられる洋服もありますが、「思い込み」や「イメージ」で”高品質”と判断して失敗しないよう、衣服に対する正しい知識や高い意識を持つことが必要なのです。

”本当の高品質”を売るお店かを見極めましょう

近年、クリーニング組合では、アパレル業界そして小売業界との連携を積極的に進めていこうと考えています。そうした中、アパレルショップやデパートの販売員の質が問題点として浮き彫りになってきました。
つまり、販売員自身が、お客様に売ろうとしている洋服のお手入れ法や洗濯についての知識を持ち合わせていないケースがあるようです。

お客様の多くは、衣服に対して消耗品だと考えていたとしても「使い捨て商品」としての捉え方を持っていないと思われます。衣服は、洗濯やお手入れを通じて繰り返し着用するモノであるはずです。すると、販売員は本質的な視点に立てば、説明責任として、売ろうとしている洋服のデメリットを含めた特徴やお手入れ法・洗濯方法を、表示ラベルのみに頼らず口頭で説明をしてあげることが、親切であり高い品質に繋がるサービスなのではないでしょうか。また、そうした説明が出来る販売員のいるお店こそが、高品質であると言えるのではないでしょうか。

高額商品を購入する際は一度冷静になり、販売員から出来るだけその洋服の特徴やメンテナンス方法を聞き出すことをお勧めします。


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