8月4日発行の「NIKKEIプラス1」に、当組合が取材協力を受けた記事が掲載されました。
「NIKKEIプラス1」は日本経済新聞の土曜朝刊とともにお届けしている生活情報週間紙です。
クリーニングのトラブル回避
お気に入りのワンピースをクリーニングに出したら風合いが変わってしまったというような経験はないだろうか。国民生活センターが2006年に行なったアンケート調査によると、利用者の約6割がなんらかのトラブルを経験している。
国民生活センターに寄せられた相談で最も多いのは「紛失」で、以下「しみ」「変色」「伸縮」の順となぅている。東京都クリーニング生活衛生同業組合の溝口悦夫専務理事は、しみや変色などの事故が起こりやすくなっている背景として、洋服に使われる素材が多様化していることを挙げる。
溝口さんによるとポリウレタン、人工皮革、複数の素材を組み合わせた衣類、海外の製品、ビーズ飾りやプリーツ加工の衣類などはクリーニングに出すときに注意が必要だという。また、しみの状態など衣類に関する情報を店側に伝えていないことがトラブルの原因になることもあるという。
受け渡し時の確認忘れずに
クリーニング店は04年の業法改正で、店頭で預る時に、洗濯物の処理方法などについて説明することになっている。しかし、努力義務にとどまっており、十分に行なわれていないこともある。溝口さんは「洗濯物の数、ベルトなどの付属品の有無、洗い方をどうするか、状態が劣化する可能性があるのか、汚れや傷の有無などを店員と一緒に確認することがトラブル防止の有効な手段」とアドバイスする。こうした店頭での対応が丁寧かどうかを店選びの基準にしてもいいだろう。
事故の対応については全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(LDマーク)の会員店か生活衛生営業指導センター(Sマーク)の登録店であれば、「クリーニング事故賠償基準」に従った補償が受けられることも覚えておきたい。
ただし補償が受けられるのは衣類を受取ってから半年以内。店頭で衣類を受け取るのであれば、不足している物があったり仕上がりに問題があったりしないか、その場で確認するようにしよう。衣類を包むポリ袋は一般に運搬用に使われているだけなので、自宅で収納する際は袋から出すのが原則であることも覚えておこう。
(ライター 奈良 貴子)