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far_6.JPG暖かさをもたらすのはもちろん、ふさふさした装飾的な要素もあるファー(毛皮)ですが、近年動物愛護の観点からもフェイクファーが注目されています。また、フェイクファーという言い方も「エコファー」という言い方に変化してきており、フェイク(偽物)というネガティブな物ではなくエコ(環境保護・動物保護)というポジティブな象徴としての位置づけがされてはじめています。
そこで今回は、フェイクファー(エコファー)とリアルファー(毛皮)の違いについて紹介します。


リアルファーとフェイクファーについて

実際の動物の毛皮を用いたリアルファーと、合成繊維を用いて自然の毛皮に似せて作った生地フェイクファーについて、その構造から違いを知っておきましょう。
毛皮(リアルファー)

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動物の毛皮を素材としている天然素材であり、フォックス、ラビット、ラクーンなどがあります。本物の動物の毛皮を加工し製品に用いているため、風合いは豊かですが比較的高価です。
本物の動物を使用した毛皮の構造を見ると、綿毛(わたげ)と刺し毛(さしげ)があります。綿毛は短く柔らかい毛で、ダウンのように体温調整の出来る役割があります。
一方、刺し毛は外敵から身を守る役割があり、綿毛よりは固いのが一般的ですが、艶があり様々な動物の柄を表すという特徴を持っています。

フェイクファー

フェイクファー
※実際はもっと毛は密集してます。イラストでは構造を分かり易くする為簡素化しています。

フェイクファーの構造は、その基本構造は実はタオル地やベロア素材やコーデュロイと似ています。
裏面を見ると織または編構造の基布が確認でき、すぐに合成品であることが分かります。基布の組織はパイル織パイル編になっており、ループパイルを切り開き起毛して毛皮の毛並みのように加工します。また、切り開いたパイル糸を長短に分けて刺し毛と綿毛の感触を模し、染め色やプリントの配色などを変え、様々な動物の毛皮に似せた商品も出ています。

機能性の違いを知る

毛皮(リアルファー)

<メリット>

     
  • 刺し毛の弾力性と耐水性が優れている。
  •  
  • 綿毛が細かく密生して生えていればいるほど温かい空気の層を作り、体温の発散を防ぎ保温性が優れている。
  •   
  • ふわふわとした柔らかな感触と美しい光沢が心地よい。


<デメリット>

  • 天然毛皮は繊維製品と比べて均質性を得ることが難しく、例えば個体間や一個体内でも部位によって毛の長さや色などが違う。
  • 繰り返し同じ状態で摩擦されると、毛は擦れたり切れたりして抜けてくる。
  • 熱に弱く、毛先はタバコの火などで簡単に焼ける。
  • 保管状態が悪いと虫害やカビが生じる。
  • 長期間日光に当たっていると自然劣化や変色が生じる。
  • 日光や蛍光灯などの紫外線により退色する。
  • 皮革部分が水分を吸収することで硬化や破損が生じることがある。
  • 皮革部分に含まれている油が酸化したり、なめし剤が変質したりすることで硬化や破損が生じることがある。
  • においを吸着しやすく、香水やたばこのにおい、防虫剤のにおいなどを吸着する。
  • 香水やヘアスプレーが直接かかると黄変やシミの原因になる。
  • クリーニングすることで上記の現象が顕在化したり明瞭化したりすることがある。
フェイクファー

<メリット>

  • 毛を模している繊維がアクリルやアクリル系で出来ている為、天然毛皮の様々なデメリットをカバーできる。天然毛皮と比較し耐久性があり、手入れが簡単。
  • アクリル繊維の特徴でもある発色性が優れており、また天然毛皮にない様々な色が柄を表現することが出来る。


<デメリット>

  • 熱や水分(湿気)に弱い。

よくあるトラブル事例

リアルファーのトラブル~擦り切れ~

ラビットの毛皮を部分使いした婦人コートで、袖口や衿回りの毛が着用により擦り切れて皮の部分が露出した状態になったもの。
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フェイクファーのトラブル~アクリル系繊維の熱収縮~

スチームによる仕上げを行ったため、フェイクファーの一部が短く、固まってしまったもの。
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フェイクファーは熱により一度収縮し乱れると簡単には元の状態に戻らなくなってしまいます。
ドライヤーの熱やストーブの熱なども収縮することがあるので、注意してください。

ファーのお手入れ

ファー製品のお手入れについては、他の繊維素材とは異なり非常にデリケートです。 特にリアルファーに関しては、管理する手間もクリーニング方法も一般衣類とは異なります。クリーニング方法は、まず水洗いである家庭用洗濯機で洗えません。一般的にはパウダークリーニングという、特殊なクリーニング法を行います。ドライクリーニングやランドリーとも違います。そのようなことから、クリーニング店が窓口になり更に専門工場へ運ばれる商品である為、クリーニング料金も時間も掛かります。

一方、エコファーのお手入れについては、リアルファーと比較するとかなり手軽です。ただし、重要なポイントがあります。
それは、エコファーの部分が取り外し可能か否かが重要です。エコファーは水洗い出来ずドライクリーニングで洗います。ところが、例えば普通の綿のシャツやワンピースやスウェットや、またはダウンジャケットなど、一般的に水洗いが出来る商品にエコファーが取り付けられていることが多々あります。そのような場合、取り外しが出来ない商品だと、最適な洗浄処理が出来ず、必然的に衣服そのものの寿命が短い商品を買ったことになってしまいます。
装飾としてエコファーが用いられる衣服が出回っていますが、「かわいい」からと条件反射的に購入せず、落ち着いて洗濯やクリーニングなどお手入れ方法のことも考えてから購入を決めるようにしましょう。

<リアルファーの日常的なお手入れ>

  • 着用後は風通しの良い場所で陰干しにし、柔らかいブラシでほこりを落とすこと。
  • 裏地についたシワはハンガーにかけておくと自然に直ることが多いので、アイロンは絶対にかけないようにすること。
  • ブラッシングはナイロンブラシは避けること。
  • 雨がかかったり、雪がとけて水滴になったものは、軽く振って水滴を落とし、乾いた布(ハンカチなど)で軽く押さえて水分を拭き取っておくこと。
  • 毛皮は急激な温度・湿度の変化に弱いため、必ずかげ干しで自然乾燥すること。
  • 香水を直接毛皮にかけないこと(シミや黄変の原因になります)
  • キツネの襟巻きのように、目玉から歯、耳、足の爪などがついているものがありますが、これらは欠けたり取れないしやすいので注意が必要。
  • 帽子や襟巻きなどは薄紙で軽く包み、大きめの箱(くせのつくのを防ぐ)に入れ、周囲に防虫剤を入れる。
  • コートなどは肩幅の広いハンガーに掛け、綿布で作った袋をすっぽりかぶせ、袋の中に防虫剤を入れて洋服ダンスに吊り下げておく。毛にくせがつかないよう、ゆとりを持たせておくのも重要。

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