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以前、本ホームページ内のコラムで「「人間」と「衣服」の共通点としての『健康管理』について」と題して、生活習慣病を例に解説しました。
衣服の生活習慣病を防ぐためのポイントは、具体的に「①衣服の買い方」「②着用方法」「③洗濯をする前の準備」「④洗濯洗剤について」「⑤衣服を洗う」「⑥洗濯物の干し方」「⑦日常の保管方法」「⑧クリーニングの出し方」「⑨長期の保管方法」の9つに分けて考えることができます。
今回は「⑦日常の保管方法」を深掘りし、注意点と具体的な対策を紹介していきます。

日常の保管とは

「衣服の保管」というと、衣替えをイメージし「次のシーズンまでの保管」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回は衣替えではなく、シーズン中の「洗濯後、次に着用するまでの間どう保管しているか」について掘り下げて考えていきます。
(「来シーズンまでの長期保管の方法」については、別のコラムで紹介します。)


汚れを落としてから保管
衣替えと違って次に着用するまでの期間が短いことから、日常の保管を意識している人は少ないと思います。しかし衣服は一度でも着用すれば汚れが付着し、その汚れをきちんと落とさずにいると、短期間でもカビが発生したり臭いを発したり、変色したりしてしまうリスクがあるため、洗濯をしてから保管するのは鉄則です。

収納スペースを清潔にして保管
いくら衣服を清潔にしても、クローゼットやたんす、ラックなど、衣服を保管する場所がホコリっぽかったり汚れが付いていたりすれば元も子もありません。収納スペースも定期的に掃除をして、清潔を保つようにしましょう。
衣服に合った方法を決めてから保管
衣服の種類が「織物」か「編み物」かによって、保管方法を決めるのも良い方法です。
一般的にシャツやブラウス、コートなどの「織物」であればハンガーなどに吊るして保管し、Tシャツやセーター、スウェットなどの「編み物」であればたたんで保管することをお薦めします。

ハンガーに掛けて保管する際の注意点

織物がハンガーで保管するのに適している理由は、「織物」は吊るしても比較的型崩れしにくいからです。逆に「編み物」を吊るすと自重で型崩れが起きてしまう場合があります。
ハンガーに掛けて保管する際は、以下3点に注意しましょう。

湿気対策をする
ハンガーに掛けた衣服を保管する際、すでに保管されている他の衣服との間隔はどのくらいになっているでしょうか。
またコートやスーツなど、着用の度に洗濯ができないもの(洗濯しないもの)が雨に濡れてしまった場合に、保管中の他の衣服の隣に掛けることはありませんか。
衣服にとって一番の大敵は「湿気」です。詰まった間隔で保管した隣の衣服や、雨に濡れた衣服からは簡単に湿気が移り、移った湿気はカビや臭いを発生させる原因になります。
すぐに着用する予定がある衣服でも、ある程度間隔を開けて保管するようにしましょう。
ハンガー跡対策をする
衣服の干し方でも記載しましたが、衣服に合わない形やサイズのハンガーに掛けると、衣服にハンガー跡が付いたり自重で袖や丈が伸びたりして、衣服のデザインを損ねてしまうことがあります。
ハンガーに掛ける時は、例え短期間であっても衣服の形やサイズに合ったハンガーを用いるようにしましょう。
日焼け対策をする
すぐに着用する予定がある衣服は、クローゼットなどに保管せず室内のハンガーラックに掛けておくこともあると思います。
そこで注意したいのが、日焼け・色褪せです。衣服は紫外線によって日焼けや色あせが起こるリスクがあります。日焼けや色褪せは直射日光だけでなくレースのカーテンやすりガラス越しでも起きてしまいますし、蛍光灯も紫外線を出しているため、蛍光灯の下などにかけておくだけでもリスクがあると言えます。
衣服は日光が当たらない場所で保管することが重要ですが、衣服を裏返しておくことも日焼け・色褪せ防止には効果的です。

たたんで保管する際の注意点

衣服が「編み物」であればたたんで保管することをお薦めしましたが、あくまでハンガーで保管することによるリスクを避ける為の目安なので、もちろん「織物」であってもアイテムによってはたたんで保管することも可能です。
織物であってもハンガーに掛けて保管することが出来ないアイテム(肌着や小物など)や収納スペースの問題で、洗濯の都度たたんで収納することもあると思います。
たたんで保管する時は、特に以下2点に注意しましょう。


湿気対策をする

たたんで保管する場合もハンガーに掛けて保管する場合と同じく、注意したいのは衣服同士の密着による湿気です。それに加え、タンスや衣装ケースに収納することによりさらに通気性が悪くなり、短期間でも湿気がこもりやすくなってしまうのです。
たたんで収納する場合はできるだけゆるめにたたみ、詰め込み過ぎないよう余裕をもって収納することが大切です。

たたみシワ対策をする

たたみシワは、たたんで収納したことにより衣服に残ってしまうシワのことです。
アイロンをかけていないワイシャツのシワと違って不衛生な印象にはなりませんが、衣服によってはデザインや印象を変えてしまう可能性があるので注意が必要です。
例えば、大きな襟やワッペンがワンポイントとして付いた衣服などにたたみシワが付いてしまい、それらが意図しない方向に折れてしまうと大きく見た目を損ねてしまいます。
衣服の繊維や厚み、たたんでどのくらいの時間が経過したのか等によってシワの付き方は異なりますので、衣服を着用する前にはたたみシワが付いていないか確認し、必要があればもう一度洗濯したりアイロンをかけたりして、形を整えてから着用しましょう。

具体的な対策事例とまとめ
    湿気・換気対策
    ・洗濯後、衣服は完全に乾燥させる
    ・保管する時はぎゅうぎゅうにつめず、他の衣服との間隔を開ける
    ・天気のいい日はクローゼットやタンスを開ける
    ・窓が開けられない時は、除湿器などを付ける
    ハンガー跡対策
    ・ハンガー跡が付きにくい商品を使う
    ・衣服のデザインやサイズに合ったハンガーを使う
    日焼け対策
    ・陽が当たらず、風通しが良いところで保管する
    ・衣服を裏表にして保管する
    たたみシワ対策
    ・すぐに着用する衣服でシワになりやすい素材のものはなるべくたたまず、ハンガーに掛けて保管する
    ・衣服に合わせて、シワが付きにくいたたみ方をする